ホワイトニング

ホワイトニングとは歯を削ることなく、白く漂白する方法です。

歯の変色・着色の原因

歯の色の変化は、表面に色素が沈着した着色と、歯の内部に色素が浸透している変色に大別されています。

表面着色 内面着色
・飲食物:コーヒー、茶、赤ワイン、カレーなど
・喫煙
・虫歯
・うがい薬
・金属
・遺伝性疾患:エナメル質形成不全、低フォスファターゼ血症など
・歯髄壊死
・歯の内部吸収
・フッソの過剰摂取
・テトラサイクリン系の抗菌薬の服用

ホワイトニングでは、歯の着色物質のみに反応し無色化するため歯が白くなります。
ホワイトニングの方法には2種類あります。

オフィスホワイトニング

ホワイトニング材を歯の表面に塗り、光反応と化学反応の併用によって、短時間で処置できる上、漂白効果が安定しています。1回である程度の効果は現れます。

 

オフィスホワイトニングの主な有効成分は、過酸化水素です。過酸化水素が歯の内側から、着色汚れの成分を分解することで、白い歯になります。
過酸化水素はオキシドールの成分でもあり、消毒に用いられています。オキシドールの過酸化水素は2.5~3.5%ですが、ホワイトニングに使用される過酸化水素は30%と、濃度の高いものになっています。

過酸化水素によるホワイトニング剤の安全性は、ADA(米国歯科医師会)が認めており、日本でも厚生省に認可されたホワイトニング剤が使用されています。

施術に際して、お痛みはほとんどありませんが、歯ぐきに多少、染みるような刺激を感じる場合があります。

オフィスホワイトニングは、数回で早く効果のあらわれる方法ですが、全ての人に行えるホワイトニング法ではありません。

虫歯や形成不全で欠けた部分の多い歯、エナメル質に亀裂が認められる歯、知覚過敏がある場合、象牙質が露出している歯、歯ぐきから出血がある場合などは、刺激や痛み感じる場合が多く、オフィスホワイトニングは行わないほうが良いでしょう。
妊娠中の方も、避けたほうが良いでしょう。
重度の呼吸器疾患の方、無カタラーゼ症の方などの場合は、処置を行うことはできません。

歯の漂白を行う前には、表面の汚れを落としたほうが、浸透が良く、効果的です。そのため、オフィスホワイトニングを行う前には、クリーニングを受けることをおすすめ致します。

過去の治療物(レジン)が変色し、黄ばんできた部分に関しては、ブリーチングでは、白くすることができません。過去の治療物が気になる場合には、変色しない白い歯科材料・セラミックで代替することも可能です。

抗生物質の過剰摂取による着色歯(テトラサイクリン)や、象牙質・エナメル質の形成不全による着色歯などで、もとの歯自体がしま模様になっている場合には、全体的に白く、模様を薄くすることはできますが、均一に白くすることはできません。そのような場合には、セラミックを用いることで歯を白くできます。

ホームホワイトニング

歯科医院でホワイトニング専用のマウストトレーを作製し、そのトレーをご自宅に持ち帰りご自身で行う方法です。歯科医師の指導のもとに行います。

 

ホームホワイトニングをはじめるにあたって、まずはじめに、歯科医院にて歯型印象をとりホワイトニング専用のカスタムトレイを作製します。お手軽ホームホワイトニングでは既成のトレイを使用するため歯型印象をとる必要はありません。

歯科医院でトレイを作製した後は、ご自宅でホワイトニングを行います。マウスピースにジェルを注入し、歯に装着します。ジェルを入れすぎて歯肉に付着すると、歯肉の変色、知覚過敏の原因などになるため、入れすぎには注意が必要です。

医師の指示による、正しい取扱い、使用方法を守って頂くことが、ホームホワイトニングを成功させるポイントになります。
歯の漂白を行う前には、表面の汚れを落としたほうが、浸透が良く、効果的です。そのため、マウスピース制作時に、歯のクリーニングを行うことを、おすすめしております。
ホームホワイトニングでは、1日数時間の使用で、およそ10日~2週間で歯が白くなってゆきます。自宅でのホワイトニングは、安全性の確保のため、歯科医院で行うオフィスホワイトニングよりも、マイルドな薬剤が使用されます。その分、白くなるまでの期間が長くなりますが、時間をかけてじっくりと漂白を行うため、後戻りしにくい傾向があるようです。
ホームホワイトニングはほとんどの人に行えるホワイトニング法ですが、知覚過敏のある方、虫歯や欠けた歯がある方、妊娠・授乳中の方などは、避けたほうがよいでしょう。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの比較

ホームホワイトニングと、歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、共に着色汚れを分解し、歯を漂白して白くする方法です。
歯科で行う漂白の場合、自宅で行うホワイトニングよりも、より濃度の高い薬剤を使用します。光による化学反応で効果を促進するため、早く白くすることができます。

ホームホワイトニングは、トレイを作るための最小限の来院で済みます。家庭で使用するため、オフィスホワイトニングよりマイルドな薬剤を使用します。そのため、 2週間程度、時間が必要になります。
ホームホワイトニングを行う場合、歯肉に薬剤が付着すると、知覚過敏の原因になる可能性があります。歯肉に薬剤を付着しないように注意して、ホワイトニングを行ってください。

まず、歯科医院でホワイトニングを行い、その後に、より白くしたい、効果を持続させたいと、ホームホワイトニングを行う方も。ご希望に応じて、適したホワイトニング、歯の美白法をご提案いたします.